まず目を見張るのは、初見で記憶に残るパッケージやVI、キャラクター、そしてウェブサイト。決して複雑なことはせず、パッケージも至極シンプルではあるが、特異なキャラクターとデザインが相まって独特の世界観を醸成している。ブランドサイトではテキスト上の真っ当なコミュニケーションが、その世界観によって見事に打ち崩され、今までになかった魅力を生み出している。 地域スーパーのオリジナル商品に端を発したブランドではあるが、そこからの商品拡張に留まらず、店舗を介した様々な企画やイベントにもその世界観が拡がり、名実ともに「元気なご当地スーパー」を体現していることに圧倒される。出し手自身が楽しんでプロジェクトを推進し、それらが周囲や地域へ伝搬している様は、地域創生における重要なポイントを示唆している気がしてならない。
河瀬 大作/上西 祐理/小西 利行/佐々木 康晴/野崎 亙/
Tnop Wangsillapakun
「グッドデザイン賞」選評
私は国内外多くのまちを歩いているが,ふと通りすがった街角で「エンドーのげそ天」のロゴを見かけたら,きっと心躍ると思う.チェーン店のみならず個店でさえ既視感を感じさせる今日,食と生活文化を通したこんなローカリティの表現があるなんて.何よりまず,げそ天が美味しそう.
伊藤 香織/都市研究者
「私の選んだ一品」選評